引越し業者に家や家具に傷をつけられた!破損した荷物は弁償させる事はできる?
引越し業者に大切な家具などを傷つけられて困ることがあります。傷ついた荷物は弁償してもらうことが出来るのでしょうか。
引越し業者に荷物を傷つけられた時の対処法を解説します。心配な方は参考にしてください。
荷物などが傷ついたときは引越し業者に連絡
引越し後に、家や荷物の傷を発見したときは、出来るだけ早く引越し業者に連絡しましょう。
まだ、家や荷物の傷を確認していない方は、確認をしたほうが良いかもしれません。経験豊富なスタッフが丁寧に引越し作業をおこなっても、家の壁や床、大切な荷物などが傷つくことはあります。
しっかりと教育を受けたスタッフであれば傷つけてしまったことを依頼主に申告するはずですが、中には傷つけたことに気づかないスタッフや失敗を隠そうとするスタッフもいます。
このようなケースに備えて、引越し前と引越し後は家や荷物の傷を確認したほうが良いとされています。
引越し日より90日以内に連絡
引越し業者がつけた傷は、基本的に引越し業者の責任で賠償してもらえます。
ほとんどの引越し業者が標準引越約款に従い営業しているので、傷を発見した方は90日以内に引越し業者に連絡しましょう。(※時間が経過すると引越しで生じた傷と証明しづらくなるので出来るだけ早く連絡することが勧められています。)
独自の約款を採用している引越し業者に注意
引越し業者の中には、独自の約款を採用しているところもあります。国土交通大臣の認可を受けているので標準引越約款から大きく外れることはありませんが、細部は異なります。
もしかすると、引越し業者の責任で賠償を受けられる期間が異なるかもしれません。心配な方は引越し前に約款を確認しておきましょう。
荷物などの傷は写真で記録しておく
家や荷物の傷を発見したときは、写真で記録しておきます。
どこがどのように傷ついたかわかるように全体の写真を1枚と傷の詳細が分かるようにアップの写真を1枚撮っておくと良いといわれています。
撮影日が引越し日から近いほど、引越し作業と傷の因果関係を証明しやすくなります。写真もできるだけ早く撮ることが重要です。
連絡を受けた引越し業者の対応
引越し業者に連絡をすると、担当者が傷を確認しに自宅へやってきます。
最近では、メールに写真を添付して傷を確認するケースもあるようです。いずれにせよ、何かしらの方法で引越し業者が破損状況を確認します。
その後、責任の所在を明らかにしたうえで、今後の対応を説明することが一般的です。
荷物の傷の責任の所在
ここで気になるのが、荷物などの傷の責任の所在です。
標準引越約款では”引越し業者は、自己又は使用人その他運送のために使用した者が、荷物の荷造り、受取、引渡し、保管又は運送に関し注意を怠らなかったことを証明しない限り、荷物そのものの滅失、き損又は遅延につき損害賠償の責任を負い、速やかに賠償します”と定められています。
自己責任になるケースもある
ただし、荷物の欠陥や自然の消耗、依頼人の故意または過失によるものは、引越し業者の責任となりません。
そのため、依頼人が行った荷造りが不十分で家や荷物が傷ついた場合などは自己責任となります。
また、引越し業者が引受を行っていない荷物が引越し作業で傷ついた場合も自己責任になります。
引越し業者が引受を行っていない荷物は、依頼人が携帯できる貴重品(現金・有価証券・宝石・貴金属・預金通帳・キャッシュカード・印鑑など)、特殊な管理を要するもの(動植物・ピアノ・美術品など)などです。
これらを預けたい方は、事前に引越し業者に相談しましょう。
傷や破損は修理対応が基本
家や荷物についた傷が引越し業者の責任と認められた場合、引越し業者が損害を賠償します。基本の対応とされているのが、傷や破損の修理です。
あるいは、これらの代わりに修理に必要な費用を賠償金として支払うケース、価値に見合った代替品を手配するケースもあります。
引越し業者が保険に加入していることを確認
家や荷物の傷は引越し業者が加入する保険で支払われるものと思われがちですが、実際に保険を利用するケースは少ないようです。保険を利用すると、引越し業者が支払う保険料が高くなってしまうからと考えられます。
そのため、少額であれば引越し業者が対応し、高額であれば保険で補償するケースが多いとされています。
多くのケースで引越し業者が対応すると考えられますが、それでも引越し業者が保険に加入していることは重要です。引越し業者が保険に加入していれば、大きなトラブルが発生しても対応可能と考えられるからです。
賠償金=購入金額ではない
引越し作業でついた傷は、基本的に引越し業者が賠償してくます。
ただし、傷ついた荷物の購入金額で賠償してくれるわけではありません。賠償は、傷ついた荷物などの引越し当日の資産価値に基づき行われます。代替品の手配もこの範囲内で行われます。
基本的に、資産価値は古くなればなるほど低下します。そこに、大切に扱っていたなどの思いは反映されません。納得できない方が多いかもしれませんが、この点は変えようがありません。
心配な方は家財に保険を掛ける
家や家財の傷などが心配な方は、引越し前に家財に保険をかけておくよいかもしれません。引越し業者の中には、このような保険を用意しているところがあります。
補償を手厚くできるので、保険をかけないより安心して引越しを行えます。大切な荷物などがある方は、引越し業者に相談してみてはいかがでしょうか。
引越しで傷つきやすい場所・荷物
引越し後、荷物などに傷が見つかった方は出来るだけ早く引越し業者に連絡しましょう。まだ傷が見つかっていない方も、念のため荷物などをチェックしましょう。
引越しで傷つきやすい場所といわれているのが、キッチンの床や天井、階段の壁などです。キッチンの壁や天井が傷つきやすい理由は、背が高くて重い冷蔵庫などの家電を運び入れるためです。
階段の壁が傷つきやすい理由は、荷物が不安定になりやすいからです。荷物では照明器具などが傷つきやすいといわれています。傷が心配な方は、これらを中心にチェックしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
経験豊富なスタッフが引越し作業をおこなっても、家や荷物が傷つくことはあります。
このようなときは、引越し日から90日以内に引越し業者に連絡しましょう。依頼人に故意や過失がなければ、基本的に引越し業者に賠償責任が生じます。
賠償金が支払われるものと思われがちですが、実際は傷ついた家や荷物を修理することが多いようです。
修理できない場合などは、引越し日の資産価値を基準として賠償金が支払われます。「賠償金=購入金額」ではない点に注意が必要です。
賠償金が高額になるケースでは、引越し業者が加入する保険で補償されます。これから引越しをする方は、万が一に備えて引越し業者が保険に加入していることを確認しておきましょう。